最近ヒアリの日本上陸のニュースが話題になっています。
ヒアリは英語名『fire ant』の訳ですが、刺されると火に焼かれたような激しい痛みを感じる、ということが名前の由来のようです。
最初は兵庫県尼崎港でしたが、その後神戸、名古屋、大阪、横浜など日本各地の港で発見されています。中には女王アリが発見された港も。
ということは・・・
女王アリは卵を産みますから、そこで巣を作り定着している可能性が高い、ということです。
これはヤバイ!
かなりヤバイ!
ですが、ヤバイのはヒアリだけではありません。
例えば数年前、マダニ、セアカゴケグモ、蚊(デング熱)などがテレビニュースを賑わしました。
マダニと蚊は感染症を媒介し、セアカゴケグモは毒を持っています。場合によっては死に至る、という意味では、これらはヒアリと同じくらい危険な生物です。
これらの虫については最近ではテレビ等でも全然取り上げられず、ちょっと忘れ去られた感がありますが、依然、危険であることは代わりません。
ではこれらの中では、どの虫が一番危険なのでしょうか?
ということで今回は、ヒアリ、マダニ、セアカゴケグモ、蚊について、それぞれの虫がもたらす病気や対策などをまとめて、その上で、自分なりにどれが一番危険なのか考えてみました。
ではまず、それぞれの虫についての噛まれたときの症状や対策について見てみましょう。『敵を知る』ことは大事です(^^)
症状、対処、対策
ヒアリ、マダニ、セアカゴケグモ、蚊(デング熱)について、噛まれた時の症状、対処、対策を簡単にまとめてみました。
ヒアリ
- 大きさ
体長 2mm~6.5mm - 刺されると(症状)
ソレノプシン(アルカロイド系の毒)による激しい痛みが出て、刺された周囲が水疱状に腫れます。呼吸困難や意識障害が出ることもあります。
二度目に刺されると、アナフィラキシーショックが出て、生命の危機にさらされることもあります。 - 対処
刺されたら安静にします。症状が重くなるようなら、病院の診察を受けます。 - 対策
むやみにアリに触らない。ちょっかいを出さなければヒアリは攻撃してきません。
ちなみに、ヒアリには通常のアリ殺虫剤が効きます。
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直接の死亡例はありませんが、アナフィラキシーショックでの死亡例はあります。
マダニ
- 大きさ
体長 3mm~4mm - 噛まれると(症状)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を発症することがあります。1~2週間の潜伏期の後、高熱、吐き気、下痢、腹痛などの症状が出ます。 - 対処
皮膚に喰いついているマダニを自分で引き抜いてはいけません!病院で治療を受けます。
ただし特効薬はなく、症状を緩和する薬しかありません。 - 対策
野山に入るときは長袖・長ズボンで! 虫除けスプレーも必須です。
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日本国内では平成23年までに28名の死亡が確認されています。
セアカゴケグモ
- 大きさ
体長 約10mm - 噛まれると(症状)
噛まれた直後は軽い痛みのみ。赤く発疹することもあります。場合によっては噛まれた部位の痛みがひどくなったり、全身に痛みが広がったりします。メスだけが毒を持ちます。 - 対処
早めに病院で治療を受けます。必ずクモに噛まれたと告げましょう。 - 対策
むやみにクモに触らない。側溝の蓋裏などの狭い場所に潜んでいます。 - 刺されたら死ぬの?
アナフィラキシーショックは起きず、国内での死亡例はありません。とは言え乳幼児は重症化しやすいです。早めに病院で受診して下さい。
蚊(デング熱)
普通の蚊には刺されても痒くなるだけですが、デングウィルスに感染した蚊(ヒトスジシマカ)に刺されるとデング熱を発症します。
- 刺されると(症状)
潜伏期間は2~14日の後に、高熱が出ます。筋肉痛、関節痛などが出ることも。ひどい風邪にかかった感じですね。 - 対処
早めに病院で治療を受けます。特効薬はありませんので、解熱剤などの対処療法を使います。 - 対策
野山・公園では虫除けスプレーや蚊取り線香を使いましょう。蚊取り線香はよく効きますよ! - 刺されたら死ぬの?
2006年に、女性の死亡例があります。まれなケースではあります。
デング熱が日本で話題になったのは2014年ころですが、その年にデングウィルスに感染した蚊は、翌年の夏には絶滅していたということです。
ということで、デング熱についてはそれほど心配する必要はありません。
ですが、デング熱が存在するフィリピンなどの海外との往来は絶えません。いつ日本で患者が出てもおかしくはない状況です。
ヒアリでの死亡例は無し!
NHKニュースによりますと、ヒアリでの死亡例は確認されていない、とのことです。
ヒアリについて、環境省は特定外来生物に指定し、注意喚起を呼びかけるホームページの中で、「アメリカで年間およそ100人の死亡例が報告されている」などとする専門書の引用を紹介していました。
これについて、専門家の指摘を受けて環境省が確認したところ、データが不正確なおそれがあるとして先月、この表記を削除しました。
出典:NHKオンライン
ちょっと安心できますね。
ただし、2度めに刺された時に起きるアレルギー反応『アナフィラキシーショック』では死亡例があるそうです。
やはり、ヒアリは軽くみてはいけないようです。
どの虫が一番危険なの?
以上の概要を踏まえて、虫の危険度ランキングを考えてみました(あくまでも個人で考えるランキングです)。ご参考までにどうぞ。
- 1位:マダニ
マダニはすでに日本中に広く分布しており、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)による多くの死亡例がある、ということから危険度は高いと思います。
しかし野山や公園では虫除けスプレーを使っていれば防げますし、噛まれてもすぐに病院へ行けば大事には至りません。 - 2位:セアカゴケグモ
セアカゴケグモも広く日本に広まってしまいました。側溝の蓋の裏など身近なところに住んでおり、子どもたちが遊び半分に触ってしまうおそれがあります。そういう意味では危険度が高いと思います。毒による死亡例はありません。 - 3位:ヒアリ
今のところ日本に定着してはいないので、遭遇する(刺される)心配はあまりありません。ヒアリの毒による死亡例もまだ確認されていません。
ですが、刺されると火の付いたタバコを押し付けられたように痛むとのことですから、怖いですね。 - 4位:蚊(デング熱)
一時期かなりマスコミで取り上げられたデング熱ですが、デング熱を媒介する蚊は日本では越冬できない、とのことです。よって日本ではそれほど心配ないと思います。
蚊を避けるには蚊取り線香がとても良く効きます。夏を感じさせる匂いが好きなので、個人的にはよく使います。
ヒアリはテレビなどで頻繁に取り上げられますので一番危険なように感じますが、まだそれほど国内に広まっていません。それほど神経質になる必要はないと思いますね。
屋外は危険な虫だらけ?
蟻だダニだ蚊だ蜘蛛だと、外に出ると危険な虫だらけな気がしますね。
世界は危険に満ちている!
危険から身を守るには自宅に引っ込んでいるしかないのでしょうか。
子育て中の方は特に気になることと思います。
でもでも、そんなに消極的になることはありません。確かに自然界には危険な虫もいますが、意識して対応すれば問題ありません。
・マダニや蚊は、虫除けスプレーや蚊取り線香で対策できます。
・野山や公園では長袖・長ズボンを着用し、裸足で歩き回らないようにします。
いたずらに不安にならず、正しい不安感のもとに意識して対策していれば、問題ないでしょう。おそるるに足らず、です!
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