建国記念の日と建国記念日との違いとは?なぜ2月11日なの?

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2月11日は国民の祝日『建国記念の日』ですね。
間違いやすいのですが、建国記念日ではありません。

えっ?
『建国記念の日』と建国記念日って『の』しか違わないよね。同じじゃないの?
それがね、紛らわしいのだけども、全然違うんだよ。
休日になるのは嬉しいんだけど (^^)

外国には建国記念日のある国も多いですが、日本には建国記念日はありません。あくまでも『建国記念の日』なのです。

では、両者は一体何が違うのでしょうか?

ということで、今回は建国記念日と『建国記念の日』との違いについてお伝えします。知って驚くマメ知識。これで建国記念日に友だちにドヤ顔できる・・・かも知れません (^^)

建国記念日と『建国記念の日』との違いとは?

建国記念日と『建国記念の日』との間には、このような違いがあります。
 ↓

  • 建国記念日: 建国した日に建国を祝う。日付が大事。
  • 建国記念の日: 建国をしのび、国を愛する心を養う。建国した日付は関係ない。

次に、それぞれを詳細に説明しますね。

建国記念日とは、(国によって定義に多少の違いがありますが)その国が成立した日のことです。「いつなのか」が重要で、建国したその日を祝います。独立記念日、解放記念日なども含まれます。

外国ですと、次のような日があります。

  • アメリカ: 7月4日 アメリカの独立が宣言された日
  • フランス: 7月14日 フランス革命が始まった日
  • インド: 8月15日 イギリスから独立した日

では『建国記念の日』はどうでしょうか。
祝日法によりますと、『建国記念の日』は
「政令で定める日 建国をしのび、国を愛する心を養う」
とあります。
つまり、建国されたのがいつなのかは関係ありません。建国した事自体を記念し国を愛する日なのです。これが『建国記念の日』の意味です。

日本の歴史は古く、いつ国が建国されたのかを正確に知る術はありません。よって建国記念日を定めるのは無理があります。それで『建国記念の日』になったのでしょう。

では、なぜ日本の『建国記念の日』は2月11日なのでしょうか。建国された日が関係ないのであれば、2月11日でなくても良さそうですよね・・・

『建国記念の日』はなぜ2月11日なの

建国記念の日は「建国をしのび、国を愛する心を養う」日です。本来ならば、この日としては、日本が建国された日が一番相応しいはずです。

ですが、日本が建国された日は正確には分かっていません。歴史的議論に耐える記録が残っていないからです。

そこで引き合いに出されたのが、神話・日本書紀です。歴史や国語の授業で、その書名を聞いたことはあると思います。日本書紀には、初代天皇・神武天皇が即位された日が紀元前660年の1月1日(旧暦)とあるのです。これを明治時代に新暦に直したのが2月11日というワケです。

初代天皇が即位された日であれば、その日を日本建国を記念する祝日としてもおかしくないと考えられたのでしょうね。まあ、それもアリかな、って感じです。

注意 ワンポイント 038564紀元節から建国記念の日へ
明治時代~戦前には、2月11日は紀元節という祝日でした。意味としては建国記念日と同じです。しかし戦後GHQは、天皇中心に日本人が団結することを危惧してなのか、紀元節を廃止しました。

GHQの占領が終了した後、紀元節を復活させる流れが起きましたが、反対の意見も根強くありました。実存したのか不明な神武天皇の即位を祝うことに意味があるのか?と疑問視されたからです。
その後、長く泥臭い議論の末、ようやく出来上がったのが『建国記念の日』だったのです。
難産でした(笑)

『建国記念の日』が作られた流れ

『建国記念の日』が作られた流れを、分かりやすく会話風にまとめてみました。私の脳内会話です (^^;

戦後、紀元節を廃止したGHQも、1952年(昭和27年)には引き上げて行きました・・・

A: なあなあ、GHQも帰ったことだし、そろそろ紀元節を復活させない?
B: はぁ? 紀元節って神武天皇が即位した日なんだけど、その神武天皇って実在してないんだぞ。
A: ダメかな?
B: 実在していない人物の即位を祝う日なんて意味なし。
A: でもさ、建国した日を祝う日があったっていいだろ。友だちも言ってた。
B: うーん。でも紀元節って名前はダメだ。
A: なんで?
B: 戦前の軍国主義に戻っちゃうイメージがあるじゃんか。
A: そっか。じゃあ建国記念日でどうよ。
B: 全然ダメ。だって日本が建国した日って分からないんだよ?建国記念日なんて作れないよ。
A: じゃあどうすりゃいいんだよ。
B: あきらめろん。
A: うーん、『建国記念の日』ならどう?
B: 『の』を入ただけかよ!
A: そこがミソなんだよ。『の』を入れることによって、日本が建国された日は特定しないけど、建国されたこと自体を祝おうって意味にする。
大事なことは日にちではない。日本の建国をしのび、国を愛する心を養うことだ。どうだ?
B: うーん。
A: どの国にだって建国を祝う日があるんだぜ。日本にもあって然るべきだ。
B: 仕方ない、妥協してやるよ。で、日にちはどうするんだ?
A: 日にちは2月11日しかないな。
B: おいおい、それ紀元節の日だろ。安直すぎ。
A: まずいか?
B: だって、それじゃあ紀元節の名前を、建国記念の日にスリ替えただけになるじゃん。
A: なら他に適当な日があるんか? 2月11日は神話上の日にちとは言え、由緒としてはおかしくないと思うぞ。皆知ってる日だし、友だちにも聞いてみたら「いいんじゃね」って言ってた。賛成多数だ。

想像を多分に含みますが、こんな感じかと思います (^^)

あとがき

建国記念日と『建国記念の日』との違いについてお伝えしました。

  • 建国記念日: 建国した日に建国を祝う。日付が大事。
  • 建国記念の日: 建国をしのび、国を愛する心を養う。建国した日付は関係ない。

字面上は『の』の有無だけの違いですが、意味は大きく違います。
面白いですね。

「日本が建国された日がはっきりしない」という点は気になりますが、個人的情緒としては、「日本の建国を祝う日があってもいいんじゃない?」と思います。言ってみれば、日本という国の誕生日です。

個人に誕生日があるように、国にも誕生日があっていいですよね。『建国記念の日』には小さなケーキを買ってきて、「日本さん、お誕生日おめでとう! 次の1年も良き年でありますように」と祝ってあげたいと思います。

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