現代では、誰もがストレスに取り囲まれた生活をしています。
それこそ、子供から大人、高齢者まで。
学校で、職場で、家庭で、高齢者施設で。
それぞれの環境でのストレスは小さくても、それが積み重なることで、小さなストレスがキラーストレスへと成長します。
キラーストレスは、状況によっては、人を瞬く間に死に追いやる恐ろしいストレスです・・・
このキラーストレスを低減する方法として、NHKスペシャル『キラーストレス』で紹介されていたのが、マインドフルネスという方法です。
案内してくれたのは、早稲田大学の熊野宏昭教授。マインドフルネスを実践されているのか、ストレスを感じさせない笑顔が素敵な先生でございました。
今回は、このマインドフルネスについて、NHKスペシャル『キラーストレス』から、そのやり方を紹介します。
マインドフルネスでストレスに強い生活へ!
とはいえマインドフルネスは、あまり耳に馴染みのない言葉です。
ということで、まず初めに、マインドフルネスとは何なのか、簡単にお話ししましょう。
マインドフルネスとは
マインドフルネスとは、瞑想のひとつです。
座禅を組むようなもの。
一般的な感覚からすると瞑想は仏教の修行のひとつですから、宗教臭さがあります。
私は全然気になりませんが、気になる人は気になるでしょう。
マインドフルネスはこの瞑想から、宗教的要素を抜き去ったものです。
科学的な瞑想、とも言えましょう。
そして番組によると、このマインドフルネスを実践することにより、ストレスに強い脳になる、というのです。
ストレス解消になるのではなく、そもそもストレスに強くなれるのです。実に興味深い話ですよね。
これはやらない手はありません。しかも無料でできますし!
では、マインドフルネスのやり方を紹介しましょう。
マインドフルネスのやり方
マインドフルネスのやり方は、次の通りです。
- 背筋を伸ばして座ります。椅子でも畳でも良いです。
- 気持ちを楽にします。
体を揺らして、背筋がまっすぐに立つ姿勢を探ります。 - 肩の力を抜き、目を軽く閉じます。
- 顔の力を抜きます。
- 呼吸に注意を向けていきます。
- 呼吸の長さをコントロールしません。
あるがままに、呼吸します。 - 息を吸う時に、胸やおなかが膨らみます。息を吐くときに、胸やおなかがへこみます。その感じをただただ感じて見守ります。
息を吸う時には「膨らみ膨らみ」、息を吐く時には「縮み縮み」と心の中で唱えます。 - 息の長さは長くなっても短くなってもかまいません。
体がしたいように呼吸をさせて、それを自分の注意が追いかけていく感じです。
これを「気づき」といいます。「気づき」が呼吸を追いかけていきます。 - 吸った息が、体全体に行きわたるイメージで呼吸します。
- 空気の動きや部屋の広さなど、周囲の空間に注意を広げ、今の瞬間を見守ります。
- 10分後、まぶたの裏に注意を向けて、そっと目を開きます。
雑念は無視します。
瞑想中には雑念が湧いてきます。仕事の連絡や週末の予定など、ぞくぞくと湧いてきます。
「雑念が来た」と思ったら「戻ります」と心の中で唱えて、呼吸に意識を向けます。
このようにして呼吸を意識することで、『今』を意識するようにします。
これを一日に10分~15分ほど行います。
指導して下さった熊野先生によると、日本文化に昔からある、禅、茶道、華道、武道、芸道などは、みなこのマインドフルネスの心の使い方をしているのだそうです。
いろんなものに気を使って、今をきちんと捉えている。
なるほど納得です。
このマインドフルネスを実践すると、脳がストレスに強くなるとされています。どうしてなのでしょうか。次にその仕組みを説明しますね。
マインドフルネスはどのように働くのか
私たちの心には、マインドワンダリング(心の迷走)という状態があります。
例えば、過去に上司に怒られた経験があると、しばしばそれを思い出し、過去の事でストレスに感じます。
また、明日も怒られるんじゃないかと不安になり、未来の事でもストレスに感じます。
このように、心が過去に行ったり未来に行ったり迷走することにより、ストレスが再生産されて、ストレスホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌されます。
これが現代人のストレスの問題点です。
つまり考えすぎなのですね。
マインドフルネスでは、呼吸を通して『今』に注意を向けることで、ストレスの再生産を止めます。
記憶や想像でストレスが増幅される状態が止まり、コルチゾールの分泌が抑えられる可能性があるのです。
その結果、脳にうれしい変化が起きます。
米国・ハーバード大学の研究によると、8週間のマインドフルネス・プログラムを実施した人の脳を調べたところ、海馬の量が5%増加していました。
海馬はストレス等で委縮すると、うつ病の原因になると指摘されている部位です。
また、ストレスの不安や恐怖に反応する偏桃体は5%縮小していました。偏桃体が小さくなると、ストレスに過剰反応しにくくなります。
この実験を担当した教授によると、マインドフルネスによって、脳は物理的に変わります。海馬は増えて偏桃体は減るのです。幼いころに強いストレスを体験した人の脳も回復します。
このように、ストレスによって蝕まれた脳も、マインドフルネスによって正常な状態に戻る可能性があることを、最新の科学は明らかにしています。
これが、マインドフルネスが働く仕組みです。
最新の脳科学って、脳のどの部位が増えた減ったまで分かるんですね。
ただただ驚きです。
マインドフルネスのまとめ
私もさっそくマインドフルネスをやってみました。
スマホのアラームが10分後にバイブするように設定して、スタートです。
椅子に座って姿勢を正し、ただただ呼吸に意識を合わせます。
雑念がコロコロと転がるように出てきますが、これは仕方がありません。雑念が出るたびに、呼吸に意識を戻します。
途中で眠ったような気がしますが・・・10分間はあっという間です。
確かに気分はすっきりしたような気がします。ですが、1回やったくらいでは脳も変化しないでしょう。
8週間(2か月)、やってみます。
2か月後、マインドフルネスを実践した記事を書こうと思います・・・継続できたらですけど!
→ 感想です(^^)