先日、NHK番組の『ガッテン』で、マインドフルネス瞑想を特集していました。NHKがマインドフルネスを取り上げるのは、私の記憶ではNHKスペシャルと、サイエンスZEROに続き3番組目だと思います。
なんかNHK、マインドフルネス瞑想が大層お気に入りです(^^)
私自身もマインドフルネスには興味があり、この6月くらいから少しずつ始めました。最近では昼食の後、ほぼ毎日のようにやっています。とても気持ちがいいので、ブログで紹介したいと思います。
今回は、『ガッテン』で放送されたマインドフルネス内容まとめと、瞑想のやり方をお伝えします。効果云々よりも、気持ちがいいのでおすすめです。
インドの僧侶・パルダン尊師のやり方
インドにラダック地方というチベット仏教の聖地があります。番組では、そのラダック地方まで出かけて、土地の偉いお坊さん、パルダン尊師に瞑想の方法を教えてもらいました。
その方法は次のとおりです。
- 座る(座禅風)。
- 姿勢を整える。
・頭を少し前に傾け、目を閉じる。
・舌は上あごにつける。
・両手のひらを重ねて、親指を合わせる。 - 意識して息を吸い、そして吐く。
呼吸が大事。
シンプルですね!
ブッダの教えによると
「意識して息を吸い、意識して息を吐く。
そうすれば大きな効果がもたらされる」
だそうです。
ポイントは、『呼吸』なんですね。
この方法は、仏教とは何の関係もありません。
パルダン尊師によると、
「本来瞑想は、宗教や思想とは関係がない。
瞑想はブッダが考えだした心の科学」
なんだそうです。
しかしアレですね、NHKは徹底して取材していますね。わずか数分の動画のために、インドの奥地まで出かけて取材しています。スゴイです。
この番組、どんだけお金かかってんだろ・・・
精神科医 貝谷久宣先生のやり方
番組内では、貝谷久宣博士(赤坂クリニック理事長)によるマインドフルネスの指導もありました。先生のやり方は次のとおりです。
- 椅子に座る。
- 姿勢を整える。
・背筋を伸ばす。
・足の裏を床に着ける。
・あごを引く。
・舌は上あごに着ける。
・手は楽な位置に。
・目を瞑る(もしくは薄目)。
・リラックスする(肩を上げてポンと落とすなど) - 静かに鼻だけで呼吸する。
先生は姿勢が大事とおっしゃてました。
内容的にはほぼ、パルダン尊師のやり方と同じです。
とても簡単ですね。
瞑想の時間は、番組中では明示的に○○分とは示されませんでした。
しかし、ガッテンが実施した実験では10分間やってましたので、10分くらいが目安かなと思います。NHKスペシャルでも、10分~15分くらいとしていました。
貝谷先生によると、マインドフルネス瞑想とは日本語で『気づき』という意味合いで、1980年台に米国の研究者により開発されました。その研究によると、瞑想を8週間続けたら、ストレスや痛み等に効果を発揮したとのことです。
また私たちは一日に18万7千項目もの考え事をしており、この殆どは、過去の後悔や将来の不安なのだとか。ネガティブな考え事ですね。これにより、私達の脳は疲れ果ててしまうのです。この疲れ果てた脳に休憩を与えるのが、マインドフルネス瞑想なのです。
さて、マインドフルネスで瞑想すると、体にはどんな変化があるんでしょうか。
ハーバード大学での研究結果と、ガッテンの実験結果が紹介されていました。
マインドフルネスの効果
ハーバード大学の2010年の実験結果によると、8週間の瞑想により、脳の海馬(かいば)の体積が5%増加しました。小脳や脳幹でも、神経細胞が増加したとされています。
瞑想により、物理的に脳が変化したワケです。興味深いですね。
一方ガッテンでは独自に、東京都内で70歳台の男女6人に対して瞑想法を教え、10日間実施してもらいました。その結果、6人中5人において、記憶力テスト、注意力テスト、計画力テストの成績が向上しました。
また老人ホームに暮らす93歳のおばあちゃんにマインドフルネスを試してもらったところ、瞑想4日目で認知力テストの成績が1割向上!
さらに1ヶ月後のインタビューでは
「悩みがなくなって明るくなった」
「スッキリした感じ」
「なんでも覚えられる(感じ)」
といった感想が得られました。
この結果は、ほんと興味深いです。
日本全国の老人ホームで瞑想やったらいいんじゃないでしょうか(^^)
ところで、瞑想が私達の役に立つことは分かったのですが、そのメカニズムはどうなっているのでしょうか。これには、脳の前頭前野と海馬が関係しているのです。
瞑想が脳に働きかけるメカニズム
私たちの脳は、前頭前野という部分で高度な情報処理を行っています。この前頭前野にいろんな記憶を送り届けているのが、海馬という部位です。
また、私達が寝ているときには、海馬は記憶を整理していらない記憶を捨てる作業もやっています(この時に私たちは夢を見ていると感じる、という説もあります)。まあ、海馬は働き詰めなわけです。
海馬は常に前頭前野から酷使されているので、相当ストレスがかかっています。あまりにストレスが掛かり続けると、海馬は文字通り痩せ細ってしまい、能力を発揮できなくなってしまいます。これが、物忘れ、うつ、認知症など、様々な不調の原因になるのです。
ところが、瞑想をして意識を呼吸に集中させると、その間は前頭前野が休んでしまうので、海馬も一息つけるというワケです。こうして海馬を休ませる時間を作れば、痩せ細った海馬も体積が増えて回復してくる、という仕組みなのです。
やっぱ休憩は大事ですよね。
時々サラリーマンの過労死のニュースが流れますが、本当に悲しいことです。社員が疲弊するのは会社の損失であり、職場の士気も低下するのですから、会社はもっともっと社員の仕事量に注意すべきだと思います。社員が疲弊しても、誰も得をしませんから。ちょっと脱線しました・・・
ユニークな瞑想方法
瞑想の本質は『1つのことに意識を向けること』です。1つのことに集中することにより、前頭前野が休憩を得、海馬も一休みできます。
ということは・・・そう、集中の対象は呼吸でなくても良いのです!
番組で紹介されていたのは、例えば、ダーツ。ダーツは非常に集中力が必要な遊びです。
そして『食べる瞑想』というのもあります。
先に紹介した貝谷先生によると、『食べる瞑想』は次のように行います。
おにぎり1個を30分かけて食べる!
- おにぎりの色をじっくり見る。
- おにぎりの匂いをじっくり嗅ぐ。
- 一口食べて、ゆっくり味わう。
- 十分に噛んで飲み込む。
- 胃に落ち着く様子を、一所懸命に感じ取る。
その他、東海大学の高雄雅春教授によると、『プラモデル製作』も瞑想の代わりになるんだとか。確かにあれも、作り始めると集中しますね。『ガンプラ瞑想』というジャンルが生まれてもおかしくありません(^^;
まとめ
NHKガッテンで紹介された、マインドフルネス瞑想のやり方をお伝えしました。
瞑想のポイントは、姿勢と呼吸です。
- 椅子に座る。
- 背筋を伸ばして姿勢を整える。
- 静かに鼻だけで呼吸する。
これだけです。
カンタンですね!
実際にやってみますと、とても気持ちがいいものです。10分なんてあっという間に終わります。もう少し瞑想していたいと思うほどです。修行僧などが長時間瞑想する理由は、これかもしれません・・・
マインドフルネス瞑想に興味があるなら、ぜひ一度お試しください。
おすすめです!