先日、町内の幼稚園の園舎が建て替えられ、その落成式が開催されました。園舎内にはミニ給食センターみたいな立派な台所があって、会食の席では、そこで作った料理が出されたそうですが、これがまた立派だったそうです。保育士さんが料理したんだろうか、最近の保育士さん、すごいな・・・
ところでこの『落成式』、似たような言葉に『竣工式』『完工式』などがあります。これらの言葉は、似てはいますが、なんか微妙に違うような気もしますよね。
これらの言葉はどのような違いがあるのでしょうか。
気になったので調べてみました。
落成式、竣工式、完工式の違いは何?
落成式、竣工式、完工式は、土木・建築の工事の完成を祝う式典という意味では、ほぼ同じ意味合いです。
辞書にも次のようにあります。
↓
らく‐せい【落成】
[名](スル)工事が完了して建築物などができあがること。竣工 (しゅんこう) 。「新社屋が―する」
類語 完工(かんこう) 竣工(しゅんこう)
引用:らくせい【落成】の意味 – goo国語辞書
ですが、厳密には違いがあります。
まず、竣工式は、本来は神事です。工事が無事に終了したことを神さまに報告し、感謝します。また、建物の今後の末永い繁栄を祈願します。
落成式は神事ではなく、竣工式の後に執り行われます。工事の関係者の労をねぎらい、利用者に施設を披露します。
公共の建物では、特定の宗教行事を式典で行うことにクレームがつくこともあるので、竣工式と言えども神事を行わないこともあります。
最後に完工式ですが、これは竣工式や落成式の俗称として使われています。使う人により、竣工式を指していたり落成式を指していたりします。難しいですね。
ただ最近は、それほど厳密に竣工式と落成式を区別していないように感じます。竣工式に落成式を含んでいたり、その逆もあります。
会社の施設の完成祝いの式典名をどうするか、名前に悩んだら、『竣工式』を使っておけば、まずは問題ないと思います。式典を開催する際にはイベント会社に依頼すると思いますので、そこにも相談してみましょう。
各用語の使用頻度
落成式、竣工式、完工式がどれくらい使われているのか、ニュースサイトで検索して件数を調べてみました。
- S新聞サイト
竣工式 92件
完工式 23件
落成式 56件 - A新聞サイト
竣工式 43件
完工式 11件
落成式 33件 - Yニュースサイト
竣工式 32件
完工式 8件
落成式 34件
この件数を見ますと、竣工式が一番多く、次に落成式が使われています。
完工式が使われる頻度は少ないようです。
まとめ
竣工式、完工式、落成式には違いがあります。
竣工式は神事であり、神さまに工事の完成を報告し、今後の建物の繁栄と堅固を祈願するものです。
落成式は神事ではなく、工事関係者の尽力に感謝し、利用者等に施設を披露するものです。
完工式は、竣工式や落成式の俗称です。
ですが、最近は竣工式、完工式、落成式が混同され、同じような意味合いで使用されている感もあります。
時代とともに言葉の意味は変化していきますから、ある意味仕方ないのかもしれませんね。
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