パソコンの電源が故障しました。電源に付いているファンが回らなくなったのです。おかげでケース内に熱がこもり、ハードディスクの温度が50度を超えてしまいました。
パソコンの部品にとって熱は大敵なので、これは由々しき問題です!
ということで、電源ユニットごと交換することにしました。
私のパソコンは、某ショップブランドの製品です。いわゆるメーカー製ではありません。
省スペース型で、こんな外見です。
↓
PCのケースと電源の型番は、次のとおりでした。
- ケース: Inwin IW-BK623/300
- 電源: IP-P300BN7-2
- 電源規格: SFX
- 容量: 300W
電源ユニットの交換なんて初めての経験なので、失敗したらどうしよう、と不安もありましたが、ネットで調べつつ、やってみたら意外と簡単でした。
IW-BK623というケースは結構ロングセラーみたいなので、私と同じように電源交換を考えている方も多いのでは?と思います。この記事が参考になればと思います。
では、電源交換の手順を紹介します。
電源ユニット交換の手順
ケースを開ける
ケースは上蓋だけ外せばOKです。ウラのネジを2個外します。
省スペース型なので、パーツがびっしり詰まっています。
(と友人に言ったら、Mac Miniの敵ではない、と言われました・・・)
ネジを外したら、上蓋を後ろに引けば、ケースが外せます。
慣れないと、ちょっと手こずるかもしれません。力を入れて引いて下さい。
前面パネルを外す
パソコンの前面のプラスチックパネルを外します。
写真を撮り忘れたのですが、前面パネルの上に3ヶ所、黒いツメがあります。これを一つずつ外すと、前面パネルがポロリと外れます。
DVDドライブを外す
DVDドライブは、上に引っ張れば簡単に外れます。
この時、電源ケーブルとデータケーブルがじゃまになるので、DVDドライブから引っこ抜きます。
DVDドライブの下には、黒いプラスチックのケースがあるので、これも外します(引き上げます)。
電源ケーブルを引き抜く
電源ユニットから伸びている、ケーブルを引き抜きます。
ケーブルは3ヶ所あります。
・ハードディスク電源(SATAタイプ)
・メイン電源(24ピン)
・CPU補助電源(4ピン)
電源ユニットを交換した後、ケーブルを再度接続しないとなりません。その時のために、メモとして、現状(引き抜き前)の接続状況を写真に撮っておきましょう。
後で分からなくなったときに、写真があると役立ちます。
故障した電源を取り出す
故障した電源ユニットを取り出します。そのため、3ヶ所のネジを外します。
上の画像では、ネジは2ヶ所ですが、ケース内部にもう1ヶ所あります。
ネジを全部外したら、電源ユニットを前の方(ハードディスクの方)へズラすようにして引き出します。空間が狭いのでやりにくいのですが、試行錯誤していると外せます。
これが取り出した電源ユニットです。
このファンが回らなくなっていました。
新しい電源を用意する
新しい電源は、旧タイプと同じSFX形式の300Wです。
- メーカー:Owltech
- 型番: FSP300-60GHS
オウルテック MicroATX SFX電源Ver3.21 300W 80PLUS FSP300-60GHS
この電源を選んだ理由は、次の通りです。
- 安かった!5,800円くらい。
- 常にファンが回っている。
ファンレスタイプ、準ファンレスタイプは、ケースに熱がこもりそうに感じた。 - 80PLUS認証<を取得してる。 スタンダードですけど。/li>
- コンデンサが全て日本製
IW-BK623というケースには、専用の排気ファンがありません。CPUファンでケース内部の気流を作り、電源ファンで排気するタイプです。
ですから、電源ファンを常に回しておきたかったのです。
もう一つの選択肢として、SST-ST30SFという電源も考えました。しかしこれは準ファンレスでした。準ファンレスタイプは、電源の温度が上がらないとファンが回らないのです。これだとケース内部に熱がこもってしまいそうです。
新しい電源を入れて配線する
新電源ユニットFSP300-60GHSを設置して、電源ケーブルを元のように接続しました。
新電源ユニットには、ケース内部で止めるネジ穴がありません。よって、ケース背面から止める、2ヶ所のネジだけで固定します(ネジは1個余ります)。
しかし、ここで問題が!
DVD用の電源ケーブルの長さが足りないのです!
しかも、SATAタイプのコネクタが必要なのに、4ピンタイプです。
困りました・・・
ということで、延長ケーブルを購入しました。
購入した製品は、
サンワサプライ TK-PWSATA3 [シリアルATA電源ケーブル 変換用 16cm]
です。
価格は331円でした。
ヨドバシで購入したので、送料無料。翌日には届きました。
DVDドライブに電源ケーブルを接続する
通電テストを行う
以上で電源ユニットの交換は終了です。
ですが、ケースを閉じる前に、電源を投入して、Windowsの起動画面が表示されることを確認しました。
ケースを閉じる
通電テストがOKでしたら、ケースを閉じます。
これで全ての作業が終了です。
電源の選び方。最低限の知識でOK
電源が壊れた時、次の電源はどういう基準で選べばいいのでしょうか。
正しい電源を選ばないと、電源をケースに取り付けられません。
取り付けられても、パソコンが起動しないとか、起動しても不安定になり、再起動を繰り返したりします。
実は、正しい電源の選び方は簡単です。
着眼点は、ワット数と電源規格の2つだけです。説明しますね。
ワット数
ワット数は、その電源が出せるパワーを示します。強力なCPUやグラフィックボードを使っているパソコンは大量の電力が必要なので、ワット数の大きな電源が必要です。
自分のパソコンがどれだけの電力が必要なのかは、取扱説明書を見ると書いてあります。『消費電力○○W』という数値がそれです。
よく分からなかったら、販売店に尋ねてみると良いでしょう。
私の場合は、パソコン購入時の、注文完了メールに電源のワット数が書いてありました。
こうして調べたワット数と同じか、より大きいワット数の電源を選べば間違いありません。
パソコンで使っているパーツが分かるなら、
電源容量計算機を使うと便利です。
このサイトでは、パソコンのパーツを入力すると、必要な電力を計算してくれます。
私のパソコンでは92Wと計算されました。300Wじゃ余裕ありすぎですね(^^;
電源規格
電源ユニットには、規格があります。これはパソコンのケースと関係がありまして、ケースが決まると、取り付けられる電源の規格はほぼきまります。
現在よく使われている規格には、ATXとSFXがあります。SFXはATXより小型の規格です。
電源を交換する際に、旧電源の型番で検索するとその規格が分かりますので、同じ規格の電源を選べば間違いありません。
80PLUS認証って何?
最近の電源ユニットの販売ページには、『80PLUS認証を取得』とか書いてあります。
これ、なんのことでしょうか。
80PLUS認証とは、電源の変換効率のレベルを示しています。
電源は、家庭用電源の交流電流から、パソコン内部で必要とされる直流電流に、電気を変換しています。この変換の効率が良いものに認定を与えて、良い製品を分かりやすくするという狙いがあります。
80PLUSにはスタンダードレベルから、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、チタンという6レベルがあります。
電源が出力50%で稼働中の変換効率は、スタンダードなら80%です。ゴールドで90%、最高のチタンで94%です。
今回私が購入した電源FSP300-60GHSは、80PLUSスタンダードです。
私は効率80%あればいいやと思ったので、スタンダードで納得しました。
パソコン電源交換のまとめ
パソコンの電源ファンが故障して回らなくなったので、電源ユニットごと交換しました。意外と簡単でした。
その手順を(備忘録を兼ねて)紹介したのですが、お役にたったでしょうか。
電源ユニットは、ドライバー一本で交換できますので、機会があればぜひやってみて下さい。
一度やれば自分の血肉となり、能力アップになります。
次の故障も怖くありませんよ!