アドラー心理学/第1回:人生を変える「逆転の発想」個人的まとめ

NHKの番組に『100分de名著』というものがあります。いろんな作家の名著を、全4回に分けて紹介するという番組です。

これまでに太宰治やダーウィン、内村鑑三など、様々な作家が取り上げられてきました。

どれも非常に面白かったのですが、その中でも個人的には、アルフレッド・アドラーの『人生の意味の心理学』がとても印象に残りました。

解説してくださったのは、哲学者であり心理カウンセラーでもある、岸見一郎先生です。ベストセラー『嫌われる勇気』の著者でもあります。

さすがに100万部以上売れた本の著者さんのお話は、聞きごたえがありました。

一部はとても耳に痛く、冷酷な感じのお話ですが、実生活に確実に役立ちます。

特に第3回、第4回の内容は、子育てや夫婦間の人間関係、職場での人間関係などにすぐにでも適用できる考え方です。

この考え方が広まれば、世界は変わる!と岸見先生はおっしゃっていましたが、本当にそのとおりだと思います。

聞き役(司会?)は、NHKの武内陶子アナウンサーと伊集院光氏でした。

聞き役のお二方もアドラー心理学は初めてということで、初心者にもとても分かりやすい、『アドラー心理学入門編』みたいな番組に仕上がっていました。

今回、録画していたビデオを見直して、自分なりにまとめを作ってみました。

アルフレッド・アドラーとは

『人生の意味の心理学』の著者であるアルフレッド・アドラーは1870年、オーストリアに生まれた心理学者です。

心理学の三大巨頭の一人と言われています。他の二人は、かの有名なユングとフロイトです。

アドラーとフロイトの違い

多くの心理学では、人間の心理分析がメインです。

一方アドラー心理学では、人の悩みの解決方法や、どうしたら幸せに生きられるのか、をも考えます。こうなるとアドラー心理学は、心理の分析という心理学の伝統的な範疇を飛び出している気がします。

例えば、第1次世界大戦にフロイトとアドラーは従軍するのですが、この戦争に対して、フロイトの心理学は「なぜ人間は戦うのか」という分析を行いました。分析が主な活動内容です。

一方でアドラー心理学は、「戦わないためには何をすべきか?」という問いを投げました。つまり心理の分析ではなく、達成すべき目標・目的を掲げて、どうすればいいのかを考えたのです。

両者の研究内容はずいぶんと違います。

ですが、実は若き頃、アドラーはフロイトと一緒に研究していました。

しかし研究が進むにつれ、二人の考え方が異なることが分かってきました。

フロイトは、リビドー(性的欲動)が人間のパーソナリティーの基礎と考えました。一方でアドラーは、劣等感こそが人間の考え方・行動の根幹であると考えました。

またアドラーは、個人はこれ以上分けられないもの(英語では In-divisual)と強調するために、自分の心理学に Individual Psychology(個人心理学)という名前を付けました。

その結果、二人は共同研究をやめて、別々の道を歩むことになりました。

このようにフロイトとアドラーの考え方は大きく異なることからか、アドラーは、『フロイトの弟子』と呼ばれることをひどく嫌がったそうです。

主観的な世界

アドラーは「人は客観的な世界ではなく、主観的な世界に住んでいる」と言いました。

人は自分が住む世界に、自由に主観的な意味づけを行います。意味づけによって、世界の見え方は全く違ってきます。

例えば同じ話を聞いても、笑う人もいれば怖がる人もいます。

人によって、見えている世界は全然違うのです。

アドラー心理学の目的論

人がある行動を起こす理由は、トラウマや過去の出来事のせいであるという、「原因論」なる考え方があります。

アドラー心理学では、この原因論は誤りで、『行動や感情は、目的のために人が自由に作り出す』と考えます。

そして目的を設定して過去の出来事への意味づけをやり直すことで、人生を変えることができるとします。

これを目的論といいます。

例えば、過去の何らかのトラウマがあってひきこもっている人がいるとします。しかし目的論で考えると、トラウマが原因でひきこもっているのではありません。

目的論の考え方では、ひきこもりたいという目的が先にあって、それを正当化するために過去の出来事にトラウマという意味づけをしているのです。

人は3日で変えられる

人々がどのようにこの世界に意味づけするのか、その傾向をアドラーは『ライフスタイル』と呼びました。

アドラー心理学で言うライフスタイルとは:

  • 自分のことを自分でどう見ているか。(自己概念)
  • 他者を含む世界の現状について、どう思っているか。(世界像)
  • 自分および世界について、どんな理想を抱いているか。(自己理想)

これはつまり、『性格』とも呼べるものなのですが、性格と言ってしまうと、簡単には変えられないイメージがあります。

しかしライフスタイルは、今この瞬間にでも変えられます。アドラー心理学では、3日でライフスタイルを変えられるといいます。

つまりアドラー心理学では、ライフスタイルというオブラートで包んで、人の性格は3日で変えられると言っているのです。

ライフスタイルを変えることによって、過去の出来事への意味づけを変え、未来への展望を変えることができます。明るい展望が得られれば、人生を生きやすくなる、ということです。

アドラー心理学、なかなか魅力的です。

第1回目のまとめ

ライフスタイル、面白い考え方ですね。世の中の出来事にどんな意味を与えるかで、今の自分、将来の自分が変わります。

これ、納得はできます。

でもライフスタイルは本当に3日で変わるものでしょうか。

ライフスタイルを生産的なものに変えるにはどうすればいいのか、番組にはもうちょっと掘り下げて欲しかったところです。

アドラー心理学 参考書籍